令和7年4月、育児・介護休業制度における「常時介護を必要とする状態」の判断基準が見直されました。
これまで介護休業といえば、親や高齢の家族を支える場面を想定した制度設計が中心でした。
そのため、障害のあるお子さんや医療的ケアが必要なお子さんを育てている方にとっては、制度が「使いたくても使えない」もしくは、「使えるとは思わなかった」という方もおられるのではないでしょうか。
今回の改正は、そんな声を受けての大きな一歩だと思います。
たとえば――
● 発達障害や知的障害などにより、危険を認識したり、自分で回避することが難しいお子さん
● 医療的なケア(吸引や経管栄養など)を日常的に必要とするお子さん
● 環境の変化に強い不安や混乱を抱える特性があり、見守りや安定した対応が不可欠なお子さん
こうした状況の方も、一定の要件を満たせば「常時介護を必要とする状態」として、介護休業制度の対象となることが、明確に示されました。
誰かの暮らしを支えるために仕事を一時的に離れる――
それは、親を支える時も、子どもを支える時も、変わりません。
今回の改正は、「親の介護」に限らず、「子どもへの日常的な支援や見守り」も、立派な介護のひとつであると認める、温かい制度の見直しだと感じます。
職場での理解を広げていくために
この制度を活かすには、職場全体での理解と対応も大切です。
「うちの会社では使えるのかな?」
「私は対象になるのだろうか?」
「従業員から申し出があったらどうやって対応したらいいの?」
そんな疑問や不安がある方は、どうぞお気軽にご相談くださいね。
「制度がある」だけでは届かない想いを、現場につなぐのが、わたしたち社労士の役割です。
必要な方に、必要な制度が、ちゃんと届きますように。