社員から「妊娠しました」と報告があった。最初に伝えてほしいこと

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「社長、ちょっとお話があるんですが……」

社員から妊娠の報告を受けたとき。

社長の頭の中には、いろいろなことが浮かぶと思います。

いつから休むんだろう。
仕事の引き継ぎはどうしよう。
育休はどのくらい取るのかな。
代わりの人を採用したほうがいいだろうか。

社員数の少ない会社ほど、一人が長く休むことの影響は大きいものです。

だから、仕事のことが頭に浮かぶのは当然だと思います。

でも、その話をする前に。

一つだけ、本人に伝えてほしいことがあります。

「おめでとう。応援するよ。ちゃんと休みを取って、また戻ってきてほしい」

そんな言葉です。

妊娠を報告する社員も、実は不安かもしれません

妊娠は、本来とても喜ばしいことです。

でも会社に報告するときは、純粋にうれしい気持ちだけではない人もいます。

「迷惑をかけると思われないかな」

「忙しい時期なのに、申し訳ないな」

「育休を取りたいと言ったら、嫌な顔をされないかな」

「復帰したあと、自分の居場所はあるのかな」

そんなことを考えながら、想像するよりも大きな勇気を振り絞って、社長のところへ来ているかもしれません。

もちろん、全員がそうとは限りません。
でも、社長からすると何気ない最初の一言が、本人にとってはずっと心に残ることがあります。

「いつから休むの?」

「引き継ぎどうする?」

それも、いずれ話さなければならない大事なことです。

ただ、その前に、

「おめでとう」

があるだけで、その後の話し合いはずいぶん違ったものになるのではないでしょうか。

「迷惑をかけます」と言わせない会社であってほしい

妊娠した社員から、

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

と言われることがあります。

真面目な人ほど、そう言います。

自分が休むことで誰かの仕事が増える。
会社に負担をかける。

それがわかっているからです。

そんなとき、社長から、

「そこは会社が考えることだから、大丈夫」

と言ってもらえたら、ご本人は少しだけ安心できるのではないでしょうか。

人が休んでも仕事が回るようにすること。
誰か一人にしかできない仕事を減らしておくこと。
困ったときには、お互いにカバーできる会社にしておくこと。

小さな会社にとっては、簡単なことではないとは思います。

でもこれは、妊娠した本人だけが背負う話ではありません。

考えてみれば、長く休む理由は妊娠や出産だけではありません。

病気になることもあります。
親の介護が始まることもあります。
家族に何か起こることもあります。

誰にだって、「今までどおり働けない時期」が突然来る可能性があります。

妊娠した社員が出てきたときは、もしかすると会社にとって、「誰かが休んでも大丈夫な会社にしていく」きっかけなのかもしれません。

「制度がある」と「安心して使える」は、少し違います

産休や育休の制度については、インターネットで調べればたくさんの情報が出てきます。

会社として守らなければならないルールもあります。

もちろん、それらをきちんと知っておくことは大切です。

でも、制度を説明するだけでは伝わらないものもあります。

「育休、取っていいんですよ」と言われるのと、

「ちゃんと休んで、落ち着いたら戻ってきてね」と言われるのとでは、受け取る側の気持ちは少し違います。

制度として「取れる」ことと、

「ここなら安心して取れる」と思えること。

似ているようで、これは別のことだと、私は思います。

特に小さな会社では、社長の一言がそのまま会社の空気になることがあります。

だからこそ、制度の説明以上に、社長がどう思っているのかを言葉にして伝えることには意味があります。

もちろん、きれいごとだけでは済みません

「おめでとう。ゆっくり休んでね」

それだけで会社が回るなら、苦労はありません。

社員が10人の会社で一人休むのと、1,000人の会社で一人休むのとでは、事情が違います。

「応援したい。でも、正直どうやって仕事を回そう」

そんな気持ちになる社長も多いと思います。

それでいいのだと思います。

大切なのは、会社の大変さを隠すことでも、社長が全部を背負うことでもありません。

「安心して休んでほしい。そのために、仕事をどうするか一緒に考えよう」

そうやって、「休むこと」と「仕事をどう回すか」を分けて考える。

本人に申し訳なさを背負わせるのではなく、会社の課題として引き継ぎや体制を考えていく。

そのほうが、社長も社員も話をしやすくなるように思います。

復帰する日のことまで伝えてあげてほしい

そして、もう一つ。

妊娠の報告を受けたときに、

「戻ってきてほしい」

という気持ちがあるなら、ぜひ言葉にして伝えてほしいと思います。

産休や育休に入る社員にとって、不安なのは休んでいる間のことだけではありません。

「長く休んだら、自分の居場所がなくなるんじゃないか」

「復帰しても、前と同じようには働けないかもしれない」

そんな先のことまで考えている人もいます。

だから、

「今は体を大事にしてね。ちゃんと休んで、また一緒に働こう」

と言ってもらえることは、思っている以上に大きな安心になることがあります。

社長が心の中でそう思っていても、本人には伝わりません。

大切に思っていることほど、言葉にしないと伝わらない。

これは労務の制度とは関係のない話かもしれません。

でも私は、こういうところに「この会社で働き続けたい」と思える理由があるように感じています。

妊娠の報告を受けたら、手続きの前に

妊娠の報告があれば、このあと会社として確認することはいろいろあります。

体調への配慮、妊婦健診、産休、育休、社会保険の手続き、引き継ぎ、復帰後の働き方。

一つずつ整理していけば大丈夫です。

でも、その前に。

社員が勇気を出して、

「妊娠しました」

と伝えてくれたその瞬間に、社長として何を伝えるのか。

少しだけ考えてみてほしいと思います。

「おめでとう」

「会社のことは一緒に考えよう」

「今は体を大事にして」

「そして、また戻ってきてね」

法律で決まっている言葉ではありません。

言わなくても、手続きはできます。

それでも、その一言がある会社とない会社では、その後の社員との関係が少し違ってくるのではないでしょうか。

会社の労務を整えるというと、就業規則や手続きの話になりがちです。

でも本当は、制度の向こう側には、いつも「人」がいます。

オフィスつなぐでは、制度だけでなく、その会社らしい社員との向き合い方も大切にしながら、一緒に労務を考えていきたいと思っています。

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